江戸時代の剣術指南本『猫の妙術』を読んでみたらとても面白かった話!

皆さんは、ちょっとしたきっかけで良い本と出合う時ってありませんか?



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僕は、いい歳をして恥ずかしいんですが、殆ど本を読みません。
でも、そうは言っても最低限何冊かは読んだ経験があります(笑)
それは、好きなアーテイストさんの自叙伝だったり、小説だったり、歴史本だったり、ビジネス書も読んだりします。

読むきっかけはそれぞれなんですが、今回ご紹介したい『猫の妙術』は、読んでいる方が「とても良い本」と言っているのを小耳に挟んだのがきっかけでした。
勿論、その言っている方が素晴らしい方なので、本にも興味を惹かれたって事も有ります。
とりあえず、グダグダの感想みたいな物を書いてみたいと思います。
もしよかったら読んでみて下さいませm(__)m

猫の妙術

猫の妙術は、江戸前期~中期の武士(1659年~1741)で、下総国関宿藩の久世家に仕えた佚斎樗山(いっさいちょざん)が書いた本です。👇

画像の本は、原作そのままでは無く、高橋有さんが“新釈”として分かり易く『訳・解説』をした本です!
昔のままの文章は読んだことが有りませんが、多分読めません(笑)
でも、この新釈は僕にも分かるくらいにかみ砕いていて、多分言葉も現代の言葉に直して下さっています。
だから読みやすい!
そして、面白い!
ちょー簡単にあらすじを・・・

あらすじ

勝軒という、若い剣術者が居ました。
腕前は、中の上、もしくは上の下といったところで、けっして弱くは無いのですが達人と呼ばれるには程遠い腕前です。
自分の剣とはなにか、どうあるべきか、日々悩む勝軒です。

ある日、屋敷へ帰ると猫程はありそうな大鼠が部屋の隅に居ました。
勝軒は、飼っている白猫に鼠胎児を頼みます。
実は、勝軒には不思議な特技があって、猫と会話ができるのです。
ところが、大鼠はすばしっこい上に強い。
白猫は、退治に失敗します。
白猫は、向こう隣りに住んでいる、この界隈では有名な、鼠捕りの技に秀でた黒猫に頼んでみてはと提案します。

勝軒は、黒猫に頼みます。
「なっちゃいないねぇ、あんたんとこの猫は。」と自信満々の黒猫。
黒猫は、すばしっこさを武器に鼠に挑みますが、負けてしまいます。
黒猫は、勝軒に自分等足元にも及ばないという、米屋の虎猫に頼んでみてはと提案します。

勝軒に用向きを聞いた虎猫は、「それはさぞ困っておろう。吾輩はそこいらの犬とでも渡り合える」と、鼠ごとき退治は簡単だと言わんばかりに大鼠退治を引き受けます。
虎猫の技は、“気”。
気で相手を圧倒し、心をくじき身を竦めさせる。
ですが、虎猫もあっさりと大鼠に負けてしまいます。
「かくなる上は、あの猫に頼む外ないかもしれん」虎猫がつぶやき、黒猫もそれに同調します。

勝軒は、橋向の長屋に住まう灰猫に、大鼠退治をお願いに行きます。
灰猫は「ようございます。その大鼠、私がなんとかいたしましょう」と快諾します。
灰猫の技は“心の術”。
相手と争いぶつかるのではなく、寄り添って和らげてしまう技。
ところが、なすすべもなく灰猫も負けてしまいます。
勝軒は苛立ち、木刀を手に自ら大鼠退治に乗り出しますが、失敗します。

困り果てた勝軒へ、白猫が「あまりに不確かな噂話ではあるが・・・」と、『武神』と評される無類の猫の話しをします。
他の3匹も、その猫の噂は聞いた事があると言う。
4匹の猫は、連れだって武神猫を探しに行きます。
一刻半程して、4匹が連れてきた武神猫は、勝軒曰く「どう見ても達人、いや達猫には見えぬぞ」という程くたびれた古猫でした。

ところが、このくたびれた古猫が、事も無げに大鼠を咥えて庭の真ん中へ連れ出してしまったのです。
勝軒は、そこに剣の極意を見ます。
“武神”と呼ばれる古猫の技とは・・・

勝ち負けを超えろ!

簡単なあらすじはこんなところです。
話しの筋は単純な感じなんですが、単純なものほど難しいを地でいったような本です。

本のカバー裏に書かれた文です。
帯には『勝ち負けを超えろ!』と書かれています。
つまり、この本は剣術指南書ではあるけれども、仕事に行き詰まった方にはビジネス書にもなり、日頃の生活に何となく閉塞感を感じている方にとっては生き方指南の様な、読む方によって感じ方が千差万別となるような内容になっています。

良い本の条件って色々有ると思うんですが、単純に読んで楽しい娯楽的な本も勿論良いんですが、何度も何度も読み返して「こういう意味かな?」みたいに考えさせられる本も、やっぱり楽しいと思います。
この本が、まさにそんな本です。
多分ね、歳を重ねていくとともに、自分の中で解釈が変わってくるかも知れない気がします。

現代の作家さんとは違う、多分現代の日本人とも違う感性で書かれている本です。
皆さんも、宜しければ是非!
ではm(__)m

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